beki雑記

オタクのライブレポ

2018年11月の読書  

 

いけやま。『マンガでわかる鉱物コレクターズ・マニュアル』

 

鉱物収拾が趣味である作者が鉱物の集め方や買い方、保存方法、きれいな写真の撮り方、処分の仕方などを漫画でわかりやすく解説した本。この本の魅力としてはあまり聞き慣れない鉱物収拾のイロハを短時間で学べることが挙げられる。おれはオタクなので鉱物収拾???と思いながら読み進めていたんだけど、同人誌の即売会のように鉱物即売会が毎月全国各地で行われているというのは目からウロコだったし(各即売会リストあり)、鉱物の写真もすごく綺麗で行ってみっかミネラルショー!?という気分にさせられた。あと主人公のハムスターがとにかくかわいい。

 

・にわみちよ『ナースになったらピュアな心がなくなりました。』

 

竹書房の本当にあった~系実録漫画作者の看護師時代の1年目の看護師あるある的なエピソードをコミカルに4コマで描いた作品。看護師がキツい仕事というのは知ってはいたが、ここまで大変なのか…と思わされた。基本的には看護師の日常を描いており話らしい話はないが、初めて受け持つがん患者の入院からお見送りまでを描いたエピソードは必見。その患者は入院後病状が回復しいったん退院するのだが、再度入院し医師から余命半年を告げられる。そのときのコマが見開き1ページを使った大ゴマや、ドラマのようなクローズアップではなく4コマの中の1コマなのだ。もちろん、4コマ漫画形式だからそうなるのは当たり前なのだが、おれはそんな1コマに人が当たり前のように死ぬ死と隣合わせの医療従事者のキツさを感じてしまった。肉体的な厳しさ以上に精神的な厳しさもあるため、燃え尽き症候群で辞める人間が多いと述べる作者の言葉はすごく実感を伴っており、最後のページでピュアな心と引き換えに看護師としてやっていく心を手に入れたというのは上手いタイトル回収だなと思った。惜しむらくは紙質がよくないところ、こういうところやっぱり竹書房だ。

 

・中村 文則『R帝国』

 

管理社会であるR帝国を舞台に野党幹部秘書の栗原と一般市民である矢崎の2人の主人公が他国からの侵略を受ける中でR帝国の異常性を知り抗っていく物語。読んで数ページでディストピアものか…と思ったんだけど、野党自体も与党から議席を1%分けられ (選挙は行われるが全議席を与党が獲得するため)一党独裁ではなく野党の存在する民主主義国家であることを国外にアピールするだけのヘゲモニー政党制的なものであるため、全く力がないという描写が序盤にあったのは印象的だった。またこの物語は、SNS映えする日常を世界に公表し幸せアピールに余念のない若者やスマートフォン依存症、国家における自己責任のそれぞれの意味、ネット世論の歪み方などさまざまな現代社会の問題に疑問を投げかけていてつい一気に読んでしまった。ただそこが魅力でもあるのだが、同時に少し冗長になりすぎているきらいがあり、もう少しテーマを絞った方が良かったのでは…?という気持ちを抱いた。個人的には加賀さんの笑い方がエロ同人の中年竿役っぽくて好きなのだが…

 

・治部れんげ『炎上しない企業情報発信 ジェンダーはビジネスの新教養である。

 

なぜ最近企業の広告が意図しない形でジェンダー関連で炎上するのか、またディズニー映画のプリンセスは時流を読み女性ウケする女性像を描いているのかを書いた本。

まず企業広告の炎上の分析だが、近年のルミネ、資生堂、キリン、サントリー宮城県ユニ・チャームがなぜ燃えたのか鋭く指摘している。例えばルミネや資生堂の炎上について作者は「働く女性への侮辱的な表現が問題となった」と指摘し、働く女性を男性上司が単なる「職場の華」と表現したことが炎上の起因になったと述べている。自分もこの動画を検索して、さすがにこれを企業広告として出すのは攻めすぎていないか?と震えてしまった。男性上司が部下の女性に「寝てそれ?」とメイクを揶揄するのは下手をしなくてもハラスメントとして取られかねないというのを広告をこの通したであろう企業の決裁権者が知らないのはこわい。また、午後の紅茶の炎上について作者は「顧客女性を見下す表現が問題となった」と指摘し、午後ティー女子と題し商品を飲む女性を揶揄したイラストを企業が発信したことが問題だと述べている。自分も当時この騒動をツイッターでみて、イラストの内容自体はよくバズる○○は××的なもので特に炎上するに至らないと思ったがこれを企業が顧客に発信するのは不味いだろう…と作者同様に思ってしまった。逆にサントリー宮城県のエロ表現、ワンオペ育児礼賛ともとられかねないユニ。・チャームと作者が指摘する広告については個人的には過剰反応だと思ってしまった。前者については確かに趣味がいいとは言えないが前述の広告のように顧客に対して悪意を持っているわけではないし(作者は「肉汁いっぱい出ました~」と女性に言わせるようなアダルトな描き方についてはゾーニングすべきだと指摘している)、後者についても育児をする母親について侮蔑的なニュアンスで描いていないためそこまで問題視するのは違うだろうな…と感じた。以上の炎上の理由として、想像力の欠如、組織の女性率の低さ、そして何より前述の広告はすべてインターネットCMであるためテレビCMのような厳格なスクリーニングがされておらず、失敗するケースが多いと指摘しているのはなるほどなと思った。

次にディズニープリンセス映画がなぜ炎上せず女性ウケするのかというのは普段ディズニー映画をみないおれにとってすごく面白かった。個人的にはディズニーランドに行くたびにステレオタイプな恋愛や結婚を重視するお姫様像の物語が多いと感じていたのだが、それは昔の話で近年は自立したヒロインが恋愛よりも家族や仕事を重視する物語にシフトしているとのことで、アナ雪をありのままの歌でしか知らなかった自分にとっては少し衝撃を受けた。女性の意識の変化を的確につかみつつも進歩的になりすぎないというのは絶妙なバランス感覚であり、ディズニー英国法人が発表した現代のプリンセス・ルール(※1)は確かに時代に合っていると感じさせられた。そしてこの本のポイントの高い点としてHUGっとプリキュアを例示し、「男の子だってプリンセスになれる!」にも言及しているところだろう。のらきゃっとちゃんはビロードのうさぎだからこそかわいいなんて言わせない。

 

・『ライブに行こう!―東京ライブ・スポット・ガイド』

 

ジャズやアコースティック、ロックなど様々なジャンルで使われる都内のライブスポットを紹介した本。この本の特徴として、キャパの比較的大きなところ(COAST)等は載ってないことが多く、キャパ50未満のどちらかというとライブが見れるバーや居酒屋などの紹介が中心で勉強になった。ライブハウスの簡単な紹介とともに最近の出演バンドが載っているんだけども、2009年出版の本だけあって、Lamamaは銀杏ボーイズ、サンボマスター原爆オナニーズオナニーマシーンが並んでいたのはちょっと笑ったし、clubasiaは鈴木あみと中井ヤスタカが並んでいたのは時代を感じさせた。また、Queが載っていて嬉しかった反面フーバーオーバーも書いて欲しかったなと当時行っていたおれからすると物足りなくなった。もしこの本が現在発行されていたら、最近の出演バンドには地下アイドルがずらっと並ぶんだろうか。

 

 

※1

現代版「ディズニープリンセスの10カ条」って?

https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/entertainment-news/news/a3560/disney-project-redefines-princesses-girls/

2018.11.17 @ 後楽園 東京ドーム Aqours 「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~」

 

 f:id:bekibekibeki:20181119114337j:plain

まさか3rdから半年立ってないとは思わなかった、以下レポ。

 

■開演まで

会場が東京ドームという5万人規模のキャパでかつ立地が最高というだけありまさに人人人といった感じで後楽園は異様にごった返していた。自分は3時半ぐらいに到着したのだけど、既に入場が行われているというのに歩くのも一苦労といった印象。また、そのコンテンツ力を生かした物販レジ54レーンという売れると確信していなければできない運営の対応もさすがとしか。なので物販はほぼ残っており並ばずに買える状態だったが、ガチャは既に売り切れていて自分の見通しの甘さに苦笑してしまった。以下フラスタや会場近くの写真。

 

f:id:bekibekibeki:20181119114348j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114412j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114417j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114421j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114442j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114504j:plain

f:id:bekibekibeki:20181119114528j:plain

今回の席は以下の赤丸あたりの2階3塁側の前から2列目あたりだったが想像以上の高さに驚く。そして最前列スタンディング禁止という注意書きに身をもって納得。これ下手しなくても落ちちゃう…

 

f:id:bekibekibeki:20181119114607g:plain

 

■ライブ

・きみの心は輝いてるかい?

1stシングルのきみここからライブがはじまるのいいよね…

 

・Step! ZERO to ONE

ラブライブサンシャインは0から1に!がテーマだと思っているのでこういう明るすぎない曲調の楽曲を序盤に入れてくるのズルい

 

・G線上のシンデレラ

Cメロ前の台詞パートの破壊力ヤバくない?Aメロのビブラフォンとかベースとかめちゃくちゃオケ映えする曲なのでぜひ次はオケで頼むという思い

 

想いよひとつになれ

逢田さんのピアノ前奏から始まってアニメでは8人のダンスを9人で踊るのエモすぎるでしょ…逢田さんトークパートで泣きながらみんなに迷惑かけてとかいっちゃうのもズルい。

 

・聖なる日の祈り

ランタンを持ちながらバックステージに歩いていく9人可愛すぎるんですけどこれなんかの罪になりませんか

 

ジングルベルがとまらない

うちっちーぬいぐるみを持つ斉藤朱夏さん、かわいいぜ…サビ前のイエー!ハッピークリスマスとサビのメリーメリークリスマスほんとくるおしいほどすき

 

未熟DREAMER→MIRAI TICKETS→キセキヒカル

とにかくセトリが強い。ミラチケでのデカすぎる船登場も笑った。

 

・Awaken the power

とにかくコールの聲がデカすぎる(最高)あと花火の演出がめちゃくちゃ佳い。

 

・No.10

すごくいい曲なんですけど「けいおん見てる時って俺らは「6人目」の部員って感じがしてこない?」というコピペが頭の中から消えなくてダメだったし1~9までをアクアのメンバーが言って10を会場の客が言う時フフッってなりました(もちろん10とデカい聲を出した)

 

ユメ語るよりユメ歌おう

最高の一言。近くにいた公演中ずっと着座で観覧していた190cmオーバー外国人女性もあまりの名曲っぷりに立っていてそりゃそうなるよな…と。

 

・オーケストラ

1期から2期までのAqoursの歩みをアニメ映像をバックに演奏する試みは観ていて面白かったし、視聴当時の気持ちを思い出し涙が出た。ただ、せっかくオケを用意するなら全曲は難しいにしても5~6曲オケが映える曲だけでも演奏してもらいたっかたのが正直なところ。

 

・小宮有紗さん

顔が佳い。自己紹介のときのぶっぶー顔は見ていて安心する。

 

小林愛香さん

顔が佳い。やっぱりあのお団子が写るとついガン見してしまう。

 

正直紅白出場!と言われてもピンと来なかったが、東京ドームでの公演を観て確かに彼女たちは人気も実力も物販力も伴っているという実感を得ることができた。彼女たちが最後の挨拶で口々に言っていた「まだラブライブサンシャインという素晴らしい作品を知らない人たちに広めてほしい!」という思いは本心だろうし、今後彼女たちを知る人たちもなんだかんだで好きになる要素の多いコンテンツだと思う。来年には映画化やアジアツアー、5thライブなど目白押しなので今後も動向に目を離さないようにしたい。

2018.11.11 @ 所沢 メットライフドーム アイドルマスターシンデレラガールズ「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 6thLIVE MERRY-GO-ROUNDOME!!!」

 f:id:bekibekibeki:20181113221917j:plain

行ってきました6th、以下レポ。

 

■開演前

西武ドームは今年ラブライブサンシャインとWANIMAで来たけど降りてすぐその人の活気に驚く。西武球場前駅周辺は西武ドームしかないから人がたくさんいるのは当然だけれども、アイマス特有の名刺交換やライブに合わせて担当アイドルの法被企画の撮影などいい意味で雑多な賑わいを見せていた。シンデレラガールズのいいところはアイドルが183人いてそれぞれに担当がいるところだと思っているので、ボイスが付いていない今日出演しないアイドルの担当同士の交流は見ていてほっこりする。

おれは13時頃に到着したのでシーズンズマスターのソロリミックスが売り切れていないか正直不安だったのだけれど、めちゃくちゃ在庫があってどうした日本コロンビアくん!?と嬉しさ以上に怖くなってしまった。

 

サイゲのフラスタとファンからのフラスタ、出演者のサインパネルは2時間待ち(!?)だったので集合イラストだけ撮りました。メアリー・コクランちゃん、かわいいぜ…

 

f:id:bekibekibeki:20181113222016j:plain

f:id:bekibekibeki:20181113222051j:plain

あとはカレーメシや難関オーディションや新商品の写真です。この缶バッジのメアリーコクランちゃんの顔、佳すぎません?

f:id:bekibekibeki:20181113222118j:plain

 

f:id:bekibekibeki:20181113222143j:plain

f:id:bekibekibeki:20181113222207j:plain

f:id:bekibekibeki:20181113222423j:plain

 

■ライブ

今回のテーマは遊園地での春夏秋冬ということでまずステージに圧倒される。SSA以上に広いからかメリーゴーランド風のセットがとにかくデカい。そして中央とスタンド際に作られたステージ。シンデレラガールズ単独でのドーム公演の規模のデカさをひしひしと開演前から感じていた。

おれは今回アソビストア先行で当選し、両席が当たるといいなとわくわくしながら発券したのだけれど、チケットにはアリーナでもスタンドでもないフィールドビューという文字が印字されていた。フィールドビュー???と現地に来るまでは意味がわからなかったが以下の赤い丸の席だった。

 

f:id:bekibekibeki:20181113222948j:plain

現地観戦できた2ndも5th仙台も静岡もSSA1日目2日目もアリーナはおろかスタンドの上の上だったり見切れ席であることが多かったので想像以上の近さにただただ驚くしかなかった。

 

以下曲感想

・OP

どうしたシンデレラガールズくん!?だいぶまともな映像が流れてきたぞ!?

 

・イリュージョニスタ!

マジで舞台とMVが一致していて最高すぎる

 

・ステップ!

ミツボシ☆☆☆よりも好きな曲。オザケンのラブリーをカバーして以来ああいう方向性の方が合うんじゃないかと思ったけどこういう元気をもらえる曲もええなって…

 

・いとしーさー?

曲的にBGVにシーサーくんが出るのは当たり前なんだけどシーサーくんサビ以外手持ち無沙汰すぎません?

 

・ドレミファクトリー♪

なっぴーがマジで薫ちゃんのかわいさを体全体で表現してなっぴーかわいいぜ…以外の言葉がないし今井麻夏さんのダンスのキレはマジでどの現場でも際立っているな…と痛感しました。ナナシス武道館でもキレッキレだったけど今回も一つ一つの動作が異常なレベル。フィールドビューの近さで見れたのは本当にありがとうアソビストア以外言えない

 

・リトルリドル

フルメンやっぱいいね…2番の「スプラッター サイコホラー 平気、ちゃんと見えるから」の小梅ちゃんパートが思った以上にキてリフレインしちゃった

 

・メルヘンデビュー

まさかのメルヘンデビュー起用におもわずオタクスマイルになっちゃったあ。いやあ2曲目が悪いわけではないけどウサミンといったらこの曲だしデレステにも入っていて知名度が高いからかみなさんクソデカ聲でミミミン歌ってましたよ(季節外れのセミかな?)。2ndのときも異様な雰囲気だったけど会場の規模が違うとここまで響くんだなあと。あと三宅さんが2番で後ろのステージからセンターステージまで爆走していたり客に歌わせたりとだいぶライブ感があった。

 

・Twin くるっ テール

SS3Aでは最初PAの不調かあまり良くなかったのでちゃんとした状態で聞けてよかった。

 

・凸凹スピードスター

初めてフルで聞いたんですけどだいぶ歌詞がビーマイベイベーに寄せてません?それはそれとして馬車が2番になったときにフィールドビュー前に止まって三宅さんと一瞬目が合った気がするんですけどこれ大丈夫なんですかね。席が佳すぎる。

 

・ハイファイ☆デイズ

なっぴーのジャンプマジ泣けるんすよ…

 

・Orange Sapphire

キュートなパッション曲とのことですがいきなり夏っぽい元気な強いセトリにするのやめません?馬車は目の前通るし最高すぎるでしょ

 

・フレデリカ、猫やめるよ

やっぱりこの曲調がコロコロ変わるつかみどころがないササキトモコの曲をフレデリカっぽく歌いこなす高野さんすげえなと。タラララララララララ黒猫フレデリカがゆくよ←ここすき

 

・in fact

演出~~~!!!!!光の柱~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!最高!!!!!!!!!!!!!!!

それはそれとして最近ありすちゃんが催眠に弱いという偏見を持ってしまったため本当の私を誰も知らないという歌いだしにちょっとフフッとなった

 

・わたぐも

「みりあね、お姉ちゃんになったよ」←黒沢ともよはイタコか?

 

・クレイジークレイジー

なんどもいうけどレイジーレイジーのところちょびっツのスーパー名曲こと Let Me Be With Youっぽくてマジでおかしくなっちゃうよ(2)

 

・共鳴世界の存在論

静岡で見たときよりも高音が安定していて良かったです。飯田さんが加わるとなんか一気に艶やかになった

 

・Rockin' Emotion

美玲ちゃんの声で歌うとただでさえCuなりーなのパートが意味不明なレベルでキュートになってヤバい

・Memories

まさかの起用その2。2人の衣装が若干ラブライカ寄りだったのも佳い

 

・tulip

フルメン編成がヤバすぎてチュチュチュチューしか言えねえ

 

GOIN!

ゴーインゴーイン止まれないんやな…

 

・上坂

アーニャの日本語が前見たときよりも下手になっててめちゃくちゃ笑ったしドラマパートで唐突にウキワを持ってサメ映画の話をしはじめたのはそういうところだぞと笑った

 

・幕間のドラマパート

フレデリカ猫やめないも唐突にいちゃつく晴くんありすちゃん、佳い…ナナシスほどではないにしろ今回ははじめからおわりまで極力声優本人を出さずにキャラクターを演じ切っていたの普通にいいよね…

 

いやーまさかこんな新旧織り交ぜた面白いセトリで来るとは全く思っていなかったのでめちゃくちゃ満足。ただ、シーズンズマスター夏のスーパー名曲であるところのとんでいっちゃいたいの不採用や、アンコール後の終わりを見せない30人近いキャストの激エモコメントが各属性でまとめられちゃったのは少し残念だった。だけどシンデレラとしてははじめてのドーム公演なのにステージの使い方が上手くて感心したし、何より五十嵐裕美さんや黒沢ともよさんをはじめとした顔の佳い声優の皆さんを間近で見れたのはフィールドビューのおかげなのでアソビストアには足を向けて寝れません。待ってろよ名古屋発券ガチャ。

2018年10月の読書

 ■宮尾益知『カサンドラのお母さんの悩みを解決する本: 発達障害の夫に振り回されないために』

カサンドラとは、発達障害等の夫とのコミュニケーションができずに悩んでいる状態のことを指す医学用語でギリシャ神話の悲劇の預言者からきているとのこと。これを読んだとき、いきなりハードルを上げたな?という印象だったがまあ面白かった。要するに自閉症スペクトラム気味(いわゆる「アスペ」)気味の夫とどのように向き合っていくかを妻側の立場から書いた本。

作者曰く、社会では人当たりもよく一定の評価を受けているため、家庭ではパートナーや子供よりも自分の興味関心を優先してしまうということを妻が不満に思い友人や家族に相談しても、「きちんと稼いでいるから問題ない」「男の人なんてそんなものよ」と理解されにくいのがより問題を難しくしているという。自分が読んでまず感じたのが、これが高度経済成長期~バブル崩壊までの「家制度」が機能している時代だったらよくも悪くも友人や家族の言葉のように問題視されなかったんだろうな、と。現代では女性の地位向上や世帯収入の減少により共働きを選択する家庭が増加しているため、夫も家庭の仕事をすることが求められるようになった。だからこそ最近自閉症スペクトラム等が取り上げられるようになったのは幸か不幸かわかんないなあ。昔の漫画のキャラクターの父親像ってこの本に挙げられてるような人がいっぱいいたし。

接し方については「曖昧な言葉を使わない」「きちんと順序立てて説明する」という一般的な発達障害との付き合い方本だが、妻の立場から書かれた本は少ない印象なのでぜひ「うちの達(※1)がさあ」とツイッターで全世界につぶやく女性に読んでいただきたい1冊。

 

■磯部 涼 編『新しい音楽とことば』

若手からベテランアーティストに詞とは?を問うインタビュー集

 

・じん

アジカンバックホーンが好きとか楽曲派のオタクっぽくて良い

 

やくしまるえつこ

やくしまる自身のキャラ自体もあるけれど、インタビュワーがインタビューしていなくて笑ってしまった。インタビュワーが9割話してやくしまるがそうですね程度のことしか答えてないのひどすぎるでしょ。

 

大森靖子

高校時代毎日銀杏ボーイズ峯田にメールを送ったというエピソードは必見。あと、大森が憧れる峯田と道重さゆみのどこが好きか?と問われ「なりたい自分に自分を無理矢理当てはめている/ほんものになりたいけどなれない」というところは納得がいった。朝ドラ俳優ミネタカズノブさんのことは存じ上げないが、2005年のアルバム『DOOR』で全般的にミックスし忘れたのかな?という荒さなのに夢で逢えたらだけはちゃんとミックスしているところなんかは本当にダサカッコいいし、彼女がいうところのほんものになりたいけどなれない感が出ていると思う。あと、道重さゆみのファンが作ったMAD動画(※2)のBGMがサカナクションですごく悔しくなったというのはどれだけ道重さゆみが好きなんだよと笑うとともに同棲代のアーティストの中でもサカナクションの存在感を感じさせる。最後にやっぱり峯田にメール毎日送るのは普通に迷惑だと思う。

 

・の子

昔はミュージシャンではなくニートだったから自己の対話ができていたけど、今はバンドマンとしての生活があるので難しくなっているというのが印象的だった。確かに『友達を殺してまで』『8月32日へ』は今聞いても全く鮮明であり素晴らしいアルバムだと思っている。特に「死にたい季節」「23歳の夏休み」「僕は頑張るよっ」はなんでこんなにモラトリアムを上手く表現しているのだろうな…と今聞いても涙が出てしまう。ただ、の子自身「怒りを出し切ってしまって真っ白」「25、6のことから虚無感がテーマになってしまっている」と言っており、それが曲に反映されているのはなんとも皮肉な話だ。

また、青春男と電波女のタイアップについてすごく自分の書きたいことと作品のテーマが合っていたと言っており、道理でスーパー名曲しかないはずだ…と思った

www.youtube.com

でも今のの子の描く33歳の夏休みみたいな方向もエッジのきいた虚無感が心地よいので聞いていただきたい。

 

www.youtube.com

・若旦那

この本で一番面白いインタビュー、面白い点は以下。

 

◆若旦那の音楽のルーツ

まあ概ねジャマイカ等のレゲエだろうな…と思っていた。なんとブルーハーツ尾崎豊さだまさし。いやいやブルーハーツと尾崎は今の時代にも通ずる普遍性があるしヤンキー精神を持っているなら間違いなく刺さるのでわかる。なぜそこでさだまさし?と思ったらそこからが面白い。夕刊フジを読みながら老いぼれてくのはゴメンだと前者は歌うのに対して、さだは夕刊フジを読み老いぼれる親父というああはなりたくないどこにでもいる大人を歌っている、そこに若旦那が涙してしまったというのは自分の考える湘南乃風のイメージを完全に壊してくれた。そして、さだまさしは不良に刺さるかという問いに運転免許証を更新する際の違反者講習で流れる償いを聞かされると刺さる人は多いと思うという解像度が異常に高い回答に爆笑してしまった。違反者講習前提かよと。

 

◆「純恋歌」制作秘話とマイルドヤンキー

当初ジャマイカリスペクトのレゲエをやっていたがジャマイカ人アーティストに「なんでジャマイカの真似をしているんだ、日本人なら日本の音楽を継ぐのがレゲエだろ」と言われ2ndから方向性を変えたというのも面白かったし、メンバー全員でコンセンサスが取れてなかったというのも面白かった。そんな中作られた「純恋歌」が製作期間1年半でひとつひとつの言葉を吟味し緻密に計算されて作られた曲だったと明かされたのは衝撃だった。前述したとおり、メンバーのコンセンサスがとれておらず、こんな曲作りたくない!というメンバーがいる中「レゲエへの愛をテーマとして歌うならいい」となんとか了承を得て親への手紙形式で詩を作るものの、REDが親への感謝を素直に綴る歌詞に対し、家庭環境がよくない若旦那をはじめとした他のメンバーの歌詞が「一生ありがとうとは言えないかもしれないけど…」といったものであったため、恋人に愛を歌う歌にしようと折り合いが付いたのも家族への気持ちへの温度差があって笑ってしまった(笑えない)。正直、インターネットに消費されるこの曲にこんなドラマがあったのかと想像すらしていなかったし、若旦那が普段の気持ちを適当に綴ったんだろうなと思っていたのを良い意味で裏切られた。

また、若旦那自身、当時の東京のヤンキーはカネと裏切りしかない世界で俺はそこで育ってきたが他のメンバーは地元の仲間意識の強いマイルドヤンキーだったと語っている。だからこそ「パチンコ屋逃げ込み時間つぶして気持ち落ち着かせて景品の化粧品持って謝りに行こう」という不良だけではなく一般層にも刺さる言葉が紡げると語っており、なるほど…と唸ってしまった。

ライブでタオルを回す集団じゃないんやな…と彼らを見る目が変わるのでぜひ読んでいただきたい1冊。

 

■坂東 真砂子『メトロゴーラウンド』

夏休みに友達が突然疾走し、小学生限定地下鉄乗り放題券「メトロゴーラウンド」を使い探すもそこは異世界だったという物語。唐突に小学生の頃に読んでトイレに一人で行けないレベルで怖くなったのを思い出し再度読んだが児童向けディストピアとしてすごくよくできている印象。例えば、勉強した時間が通貨となり、多種多少なおもちゃが買える反面、反抗するものは工場で処理されるという設定はありがちではあるものの、児童向けの平易な文章でありつつ作者の筆力が高いため一気に物語に引き込まれる。また、表紙の主人公の2Pカラーのイラストが佳すぎる。

f:id:bekibekibeki:20181111100701j:plain

 

 

 

※1

以前ツイッター発達障害気味の夫のことを「達」と略している女性を見かけましたんですけどこれ一般的なんですかね。

 

※2

なぜなりたいの?「好きだから」         

https://www.nicovideo.jp/watch/sm20683276

モー娘。のレッスン怖すぎませんか?

2018.10.23 @ 後楽園 東京ドーム EXILE 「 EXILE LIVE TOUR2018-2019 STAR OF WISH」」  

 

 

■おれとハイロー

おれはオタクなので今までEXILE的なものには一切興味がなかった。そのため、まともに音源を聞いたのがだいぶ前にTSUTAYAで借りたベストアルバムだけだし、それもチューチュートレインを何かカラオケで歌う時の練習のために聞いた程度のレベルだった。だけどそんなおれの気持ちを劇場版ハイローがいい意味で壊してくれた。

アホみたいに金のかかったアクションシーン、加瀬あつしもびっくりのヤンキー漫画のような殴り合い、やたらと個性派揃いで魅力的なSWORD地区のチーム、そして琥珀さん。どれをとっても最高だった。

 

唐突ですが好きなシーンベスト5です

1位

九十九が「琥珀さんといると本当退屈しねえわ」と唐突にデレるシーン(二人の関係性はね、最高)

 

2位

九龍グループに拉致されたコブラが縛られて生コンクリートを流し込まれるシーン、これ岩田剛典の顔が好きなリョナラーにはたまらないと思うんだよな

 

3位

カジノ推進大臣が都内のビルの屋上で地上に向かってゴルフボールを打ちながら「無名街爆破セレモニーをします!!!!」といい九龍グループ幹部にドン引きされるシーン。ケンカで世界を変えようとしている登場人物の空気にあてられて一気に大臣のIQまで下がったの最高すぎる…

 

4位

とにかく強いターミネーター源治

 

5位

雨宮兄弟が上園会へ乗り込み銃で武装する組員たちをステゴロで無双するシーン

 

■ライブ

そんなわけでハイローのメンツがいるLDHのグループのライブにも一度ぐらいは行ってみたいな…と思っていたのだけどなかなか行く機会に恵まれなかった。そんな中、知人からチケットを譲ってもらえることになり行ってみた。仕事帰りで東京ドームに到着したのが6時過ぎだったのだけど圧倒的に人が多くてビビった。いや東京ドームだし多少はね?とは思っていたけど開演30分前なのに尋常じゃなく物販に並んでるの。それと女子トイレが長蛇の列というレベルじゃなくてこれ絶対これ漏らす人いるだろ…とドン引きするぐらいだった。男女比は当たり前だけれど、見た感じで1:9ぐらい。いやこれ脅威的な数字ですよ。普通のバンドの1:1ぐらいの比ではないのはもちろんのこと、アイドルもののオタクライブでも体感4:1(シンデレラやラブライブナナシスとか)ぐらいいる気がするのにこの圧倒的な女性率。あと痛バはともかく、フェイスペイントや推しうちわを装備している人がいて見慣れぬ光景にちょっと感動してしまった。いやー、本当にアイドルの文脈ですよこれ。

f:id:bekibekibeki:20181028214705j:plain

 

ライブの感想は以下のとおり

・常時エレクトリカルパレードか!?ってぐらい常に電飾がすごい。東京ドームがドンキホーテになっとる

EXILE自体メンバーが多いのに常にバックダンサー(電飾服着衣)が20~30人ぐらい踊っているの笑えてくる

・スクリーンに映るBGVがすごくまとも。いや本当に曲調に合わせてちゃんと動画が流れてくるって当たり前の話なんだけど素晴らしい

・スタッフの動きの良さ。例えば、星形のフリスビーの当選者席番号を全席の中から抽選してディスプレイで発表してすぐスタッフが渡しにくるのは素直に感心しちゃった。聞くところによると、以前はメンバーが客席へ投げてファンが取っ組み合いの争奪戦を繰り広げて問題になったから改善したみたいだけど、全席から抽選するシステムはステージから遠い席でもワンチャンあるとファンに思わせられるしいいよね。あと、銀テープを即座に回収してファンに素早く配りにいくのも良い。ただ回収するだけで配ってくれる運営あんまりいない印象があるので…そこらへんも大規模会場慣れしている運営ならではなんだろうなあ

・残念ながらバンドの音量と比較してボーカルのマイクの音量が小さくて少し響きが悪かったのが残念だった。やっぱり東京ドームは本来ライブするところじゃないよなあ

・メンバーのファンサすごくない?ファンへのハイタッチはともかく、舞台に上げて踊ったり最前の女の子の頭をポンポンしたりこれ女性アイドルがやったら結構厳しいのではと…まあおれの後ろにいた女性はそういう場面でクソデカ聲でギャーしねーと発していて正直怖すぎたのだけど

・アランくんびっくりするほどのキュートフェイスなのにめちゃくちゃ筋肉あってクソビビる

・おれはメンディーが面白黒人みたいな感じでイジられていてかなしくなった

・ATSUSHIの歌は普通に上手かったってことよりもこのライブにくるために頑張って節約したり働いてくれたと思うしそれに見合うライブを頑張って作る所存みたいなことを言っていてええこと言うな…と思ったあ

・死ぬ前にチューチュートレインの例のアレが見れて本当によかった

 

最初はチケットの代金を聞いたとき、12000円!?ボッタクリやろ!!!?(※1)とあまりの高さに笑ってしまったのだけど、それに見合うだけのパフォーマンスだったと思う。楽曲はベストアルバムの知識で挑むには厳しいものがあったし普段は絶対に聞かないタイプの曲が多かった。けれどそんなことを関係なしに3時間弱を楽しく過ごせるというのは結構希有な気がする。次機会があれば三代目のライブに行こうかな。

全然関係ないけどあの広すぎる東京ドームで○○くん(任意のメンバー)は私のことを見ていた!!と豪語する前の職場の人間は絶対に狂っているという確信を得た。

 

 

 

※1

定価12000円越えのライブのチケットってフェス等を除くと外タレの良席ぐらいしか思いつかない。今度行くサンシャインの東京ドームライブも9800円だし。

2018.10.7 @ 東京 日本武道館 Nothing's Carved In Stone 「10th Anniversary Live at BUDOKAN」」

f:id:bekibekibeki:20181028214426j:plain

f:id:bekibekibeki:20181028214430j:plain

f:id:bekibekibeki:20181028214433j:plain

f:id:bekibekibeki:20181028214437j:plain

 

行ってきました。所要で30分遅れで武道館に入ったのは本当に残念だったけどそれ以上に良いライブだった。オタクなのでライブ終盤、Out of Controlがバックスクリーンに彼らの演奏とともに流れたときエモすぎてエモンガになってしまったし、遅れた30分の間にSpirit Inspirationを演奏していたとセトリで知ってかなしくなった。あとやっぱりバンドにとってもファンにとっても武道館でライブをするってことは勇気のいることだと再確認。村松さんが「今年はじめに武道館でライブするって告知したときみんなも本当に大丈夫なの?と心配して友達にも声かけてくれたと思う」みたいなことを言っていて元ザゼンエルレ、テナーのバンドでも厳しいんやな…と世知辛くなった(※1)けど普通にソールドしてよかったね…という気持ちになった。実力のあるバンドなので、10周年を期にせめてもうちょい知名度上がってほしいなと思う。

 

※1

職場でそこそこバンドが好きな同僚数人に聞いたら一人しか知らなかったの普通にかなしくなったあ

最近読んだ本の感想  

 ■清水潔『殺人犯はそこにいる』

自分は普段警察に肯定的な人間だけど、さすがにこれは警察ライン越えてるでしょ…と思う描写がたびたび見られて面白かった。一番印象深かったのは菅谷さんが一般的な性嗜好の持ち主でAVもデカパイものしか持っていなかったのにもかかわらず、ロリコンもののAVを好んで見ていたと無理矢理警察に物語を作られマスコミに報道される点と、逮捕されてまずまっさきに同氏が心配したのが自分がどうなるかではなく払っていない2000円の市民税のことを心配するあまりにも善良すぎる人柄。万が一おれが冤罪で逮捕されたらbioに10代のローティーンの二次元キャラが好き!!!!!!と書いている人間なので間違いなく有罪にされるんだろうなと震えるしかない。

 

若林正恭『社会人大学人見知り学部』

今までオードリーの春日じゃない方とだけしか認識していなかったおれとしては若林がこんなに面白く自意識過剰でひねくれまくった人間だと知り好感度が上がった。個人的には全編通して春日のことを極力「相方」と呼び意図してあまり描写しないのに、最後のエピソード「春日」で相方について書き連ねるのはもう感情人間にならざるを得なかった。全く売れない時期に必死にもがく若林が春日に努力しろ!と叱るのに対して「仲間とゲームしたり遊べて今が幸せ。やっぱり不幸じゃないと努力できないんですかね?」という返事をする春日や、自信と余裕に満ち溢れた雰囲気が周りを引き寄せ自然と子供も寄ってくる春日に対していつもつまらなそうにしている若林がいつかあいつのようになりたいと書いていてラブレターかよ…と涙した。春日は山田詠美が書いていた自分自身が文学って感じの人間なんだろうなあ。

 

■永井純一『ロックフェスの社会学

1回目のフジロックからフェスに参加している作者が90年代から10年代までのフェス文化の変化を書いた本。この本の秀逸なところの一つとして、単にフェスの歴史を論じるのみならず作者がめちゃくちゃフェスが好きで会場等でフェスの参加者にフェスについてインタビューしているところに尽きる。たとえば、2002年からロックインジャパン等のフェスに参加している年100本ライブを見る(!?)(※1)音楽が趣味の人間にインタビューしたところは興味深い。彼は当初ずっと一人でタイムテーブルを必死になって回るタイプの楽しみ方をしていたのだが、2006年を転機にフェスの楽しみ方を友人やその場の人間との交流などライブ以外のところに見出したエピソードはなるほど…と思わされた。

あと、フェスが女性誌等で夏の定番イベントとして特集され、当初のコアな音楽好きのイベントから若者の定番の夏のイベントに変質していったというのはすごく頷くところがある。昨年ロッキンに行ったらヒールやブーツを履いた女性を少なからず見つけておまえ本当にフェス行くんか…?みたいな思いをしたので。

そしてSHISHAMO「君と夏フェス」や水戸なつめ「私をフェスに連れて行って」のようにリア充イベントとしてフェスが歌われ共感を呼ぶ一方、忘れらんねえよが「中年かまってちゃん」で「あの娘とグループでフェスに行った奴 俺はあんたらを別に恨んじゃいないけど 俺はその日の予定空けていた」という歌詞を例にし、フェスに行くパートナー・仲間の有無についても指摘していたのはなかなか興味深かった。音楽好きな人間がバンドを目当てに必死にタイムテーブルを駆けずり回る場からパートナー・仲間と楽しさを共有する場としての意味合いが強くなったことで、非リア充の悲哀を感じさせる。(※2)

 

■レジー『夏フェス革命 』

著者も書いているとおりロックフェスの社会学に大分影響を受けている本。ただ著者はロックインジャパンへの愛がすさまじく、ロックフェスの社会学がフェス概論ならこちらはロックインジャパン論という意味合いがだいぶ強い。

例えばロックインジャパンのヘッドライナー一覧の紹介や(※3)GRASSステージの出演者の傾向、またフェスが音楽文化の中心という説はなるほどと思うことが多かった。2000年台初頭はミスチルスカパラが普通にトリを務めていたのは今のタイムテーブルの感覚からすると個人的には信じられなかったし、まずミスチルが出てたんだ…と驚いてしまった。そしてサカナクションの山口が「フェスにピークをもっていくために上半期にレコーディングをしフェス前に新曲をリリーズする手法を取ることが多くなった。しかしフェスで新曲を聞いてもらってもそれで満足してお客さんにワンマンに来てもらえない」(※4)という指摘を引用し、フェスとワンマンライブが競合関係になってしまうことで、バンドのマネタイズが難しくなっているというのは腑に落ちる説だと思った。これはロックフェスの社会学を読んだときにも思ったけれど、だいぶ音楽業界もCD販売よりライブで利益を出す方向に舵を切ってるなと。実際ぴあもフェスを主催しはじめたし横浜にアリーナを作るしね。

 

※1

7月8月に月3~4回ペースでライブ行って相当多いなと思ったのに月8回はもうプロモーターの域

 

※2

おれは一人でもフェスに行きますが…

 

※3

ジー『夏フェス革命』96頁より

 

f:id:bekibekibeki:20181022121118j:plain

※4

その割に全然サカナクションのチケットが取れないのですが…