2019.7.25 @ みなとみらい パシフィコ横浜 ASIAN KUNG-FU GENERATION「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2019 「ホームタウン」」
アジカンのライブをみるのが去年のロッキンと今年のアナログフィッシュとの対バンを含めて2回だった。どちらの公演も後藤小せえなあ…と思う以上に、そのパフォーマンスに圧倒されたのでぜひ次はワンマンでみたいと思っていたのだがこのたびその思いが叶った。
そこで、アジカンのはじめてのワンマンで印象的だったことを書き連ねたい。
1.若年層を対象にしたサービス
まず、アジカンのように10年以上活動しているバンドの客層が10~20代のファンが多いことに会場で驚いた。結構活動歴のあるバンドだと結構バンドマンとともにファンも年齢を重ねることが多いのにこれはすごい。
そのためか高校生以下に対して1500円キャッシュバックサービスを行っているのもお金のない未成年にやさしいなと。
それとは逆に、後藤は自身のTumblrで僕らのライブに来るファンが大人になって子連れで来ることも増えたが、基本的にはウェルカムだしそれを排除したくないと述べている。だからこそ、子供向けのイヤーマフを持参するようチケットに明記するのは(今回のツアーでも申し出があれば貸出を行っているとのこと)純粋にどの世代でも楽しめるライブを志向しているんだなあとその姿勢にすこし感動した。
2.撮影に対しての姿勢
基本的に国内のライブの多くは開演中は撮影禁止だと思うが(外タレが多く出演しているフェスは撮影が自由なことの多い外国のファンも多く参加するため禁止を謳っていてもおざなりになることが多くそこまでスタッフも厳しく注意を行っていないと聞く)、アジカンは明確にルールを記載していたのが印象的だった。
上記のように開演前と開演後だけならともかく、アンコール後は写真撮影自由というのはだいぶ寛大に思える。アンコール後、周囲はパシャパシャ撮っている方が多く個人的には若干辟易したが、2~3曲取り放題ということもあって皆楽しそうだった。
3.音楽性
途中のアコースティックパートでスピッツのグラスホッパーをカバーしていたのだがこれが本当に面白かった。草野マサムネの作曲はAメロBメロを経由してサビで盛り上げる安定感があるな…と思ったし、そのあとに演奏されたアジカンの曲はすごく感覚的な感想だけれどサビで盛り上げすぎないからこそ後藤の佳さだな…と。一曲カバー曲をやるだけで音楽性ってみえてくるなと思った瞬間でした。
4.ドラム
アコースティック編成のタムがまともにないドラムで4小節ぐらいきよしさんがドラムソロを疲労する場面があったのだけどそれが尋常じゃなくよかった。他のパートにくらべてただでさえ音のレパートリーが少ないドラムでタムもまともにない状態のドラムソロはだいたいが地獄になってしまいがちだけど、一切それを感じさせないパフォーマンスを披露してくれたきよしさんに腹の底から聲が出た。マジでこれをみるためにまた行きたいまである。後藤もMCで彼は本当に天才だけど一度やったことを再現できないのが玉に瑕なんだよね…と苦笑していたのは微笑ましかった。
5.MC
ツイッターでの印象とは違うかわいい後藤が見れてよかった。彼かバンドメンバーとのカラオケに言った話や大学の卒業式をした会場でライブができてよかった話、就職が難しかった話など、結構人情味を感じたんですよね。ドラムのきよしさんに何がなんでも歌わせたい!と表明していたのはそこまでしなくても…と思ったけれども。
いやー最高のライブだった。今回の公演でフェスや対バンでみてよかったバンドは絶対にワンマンに行った方がいいなと確信した。前者の方がセトリ的にはメジャー曲多めであまり知らなくても楽しめるけど、本当にそのバンドがやりたい演出を楽しみたいのなら間違いなくワンマンに行かないとはじまらないなと。絶対に次のツアーも参加したい。
2019.714 @ 幕張 幕張メッセ Tokyo 7th シスターズ「Tokyo 7th シスターズ 5th Anniversary Live -SEASON OF LOVE- in Makuhari Messe.」
完膚なきまでに去年の武道館で叩きのめされたナナシスというコンテンツをまだおれは過小評価していたのかもしれません。以下箇条書きレポ。
・4thの幕張メッセのイベントホールから9-11とキャパを一気に上げるんだな…と思ったのですが、それが露骨に表れていた気がします。少なくとも自分がツイッターでフォローしている数人の支配人さんがアプリ最速先行でフォロワーさんの分まで申し込んで重複当選して当日までチケットを余らせていたし、ツイッターのチケット募集をみる限り武道館同様定価割れが見られたし、当日券も販売していたので。
本当に思うんですけど適正なキャパってなんなんですかね。別のコンテンツで大変恐縮ですが、同じ9-11ホールで平日開催予定のシンデレラガールズ7thはアソビストア・先行抽選共に落ちたので余計に。もっと大きな会場でやれ以外の感情がありませんが。
まあ4thのときは本当にチケットが取れなくて意味不明な価格(5万~)に吊り上っていたことを踏まえるとチケットが取れるのは本当にありがたい話で、そのせいかは不明ですけれども前の客席との距離が異様に広くてライブ中動きやすかったです。
閑話休題、ライブに行くと(こういったら失礼ですけどアプリの知名度の割に)めちゃくちゃ人がいるので、この人たちはどこから来たのだろう?と思うのですが、楽曲提供したユニゾンの田淵も近いことを言っていて爆笑しました。マジでフラスタの熱量も尋常じゃないしなんなんだろう…
田淵 これだけ音楽がいいのに、僕のあまり多くない友達からはそれが聞こえてこなかったんですね。だから売れてないのかな、もったいないなと思ったら、幕張イベントホールや日本武道館が埋まっているという。どこにそんなファンがいるんだろうと思って調べてみたら、クラブ界隈での評価の高さとか、ゲームユーザーに届いていることはわかってきた。でもアニソン楽曲派にもそれをもっと広げていくには、誰かがその役割をしなくちゃいけないのかなと思ったんです。去年ぐらいの自分は、表立って、このアニメがいい、アニソンがいいとは言いたくないと思ってたんですけど。価値観が変わったんでしょうね。
・ライブは初手FUNBARE☆RUNNERから各ユニットMC混みで20~30分、最後のSTAY☆GOLDが終わったら21:30を過ぎていたという頭がおかしいとしかいえないセットリスト。4時間半休憩なしでパフォーマンスを見せてやる!という心意気を感じました。正直、4thよりもフェスしてた感が強かったです
声優交代でどうなるんだろう…と少し不安だったのですが、そんな不安が消し飛ぶパフォーマンスでした。新曲のひよこのうたもミツバチも少し陰のある楽曲で佳かったし植田ひかるさんがもう精神的支柱になっていましたね。
・七花少女
稲川さんとまりんかをまさかSHOW BY ROCK以外でみることになるとは思わなかったです。新人声優の方が多いのと幼い印象の制服とMCでの演技がフレッシュでめちゃくちゃオタクスマイルになりました。
・4U
QoPもそうなんですけどMC以外完全にアイドルライブの文脈ではなく普通のライブの文脈の楽曲なんですよね。前の席にいた2組のカップルがペンライトを置いて手を上げたり頭を振っていたのがすごく印象的でした。
・バックバンド
最高。生音じゃないとわからない佳さありますよね。
武道館のライブに参加してもうこれ以上のナナシスのライブはないんじゃないか?と思っていたのですがまさかこんなものを出されるとは。37曲やりきるだけでもすごいのに、武道館の時よりも全体的にパワーアップしたパフォーマンスにただ驚嘆するしかありませんでした。終演後の茂木コールもそりゃ言いたくなりますよ。完全に完敗しました、ありがとうTokyo 7th シスターズ。
2019年6月の読書
劇団雌猫『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』2018.10 柏書房
オタク集団劇団雌猫のメイク本。ちまたにあふれるどうメイクするか?の本ではなくなぜメイクするか?にスポットを絞った1冊。男性側からはわからない女性が普段考えている美意識について知るために役立つし、何よりも著者属性的にオタク女性が多いので読んでいて楽しい。個人的に印象的だったのはデパートの販売員だった女。美容部員の尋常じゃない禁止事項の多さやダサいメイクをしているとクレームがくるなど容姿の世界で生きるつらさと大変さを感じた。
読んでいて思ったのですが終始文中に出てくるブランドがわからなくて参りました。おれの知っているブランドはアマベルミルクアンジェリックプリティイノセントワールドぐらいなので当然ですが…
池田 清彦 (監修)月刊つり人編集部 (編集) 『池の水ぜんぶ“は”抜くな! 外来種はみんなワルモノなのか』2019.5 つり人社
池の水ぜんぶ抜いたに対して生物学者がその是非について書いた1冊。まず外来種と在来種の境界線をはじめとして外来種は本当に悪なのか、また在来種が減った理由は外来種のせいと一概に言えるのか、127pと短いながらもわかりやすく書いている(参考文献一覧がないのが若干残念)。印象的だったのが「手つかずの自然」を目指す自然保護活動が本当に理想なのか?という問いだ。例えば、外来種のおかげで生息できる在来種がいたり、現在「手つかずの自然」が世界をみてもほぼ存在しなかったり、外来種と在来種から生まれた交雑種の取り扱いなど、色々と考えるきっかけになった。また、イエネコが野生化するとノネコと呼ばれるのには驚いた。
南条 あや『卒業式まで死にません 女子高生南条あやの日記』2004.2 新潮社
精神的に病んでいる女子高生の死に至るまでのリストカット&オーバードーズ日記。おれは2000年代中盤ぐらいにこんなリストカットをやっている人間のブログを好んで読んでいたのでこれこれ!と何度も読書中に頷いていた。
ただ、著者が女子高生として過ごした時間は1990年代後半なのでおれが好んで読んだものとは微妙に時期がズレている。例えばおれが読んでいたリストカッターの方たちの好む音楽は椎名林檎“さま“やsyrup16g、ムックやアンティークだったのに対してこの著者はcocco。絶妙なチョイスに涙が出る。
日記は1999年3月16日で終わっているが、一番後ろの略歴で死に至るまでの過ごし方がわかる。高校卒業後、婚約者とディズニーに行ったり、指輪を買ったり、友人とカラオケ大会を開いたり人生がものすごく充実しているようにみえるが3月30日に唐突にODで自殺、享年18歳だった。タイトルは著者自身が親友に約束していたことだという。言行一致の彼女に黙祷。
あかるい呪詛師(aiko「Love Like Pop add. 10th Anniversary」を観ました)
少し前、ツイッターを眺めていたら以下のようなまとめを見かけた。
aikoは平成を代表する女性アーティストであることはいうまでもないが、そのaikoの歌詞が呪いのようなフレーズと形容されているのをみて少しおかしくなってしまった、Coccoならともかく。
だが、彼女についてそこまで詳しくないおれもそんな曲があることは知っていた。2006年に発売されたスーパー名盤こと『彼女』に収録されている「深海冷蔵庫」だ。おれは本当にこの曲が好きで好きで仕方がない。しっとりとしたカバサからはじまり、Aメロの腐った卵や味の無くなったガムのような関係の終末を例えるような比喩、サビでの暖かい冷蔵庫という不思議なフレーズ、そして大サビで今までの「わたし」と「あなた」の思い出をすべて吐露するかのような呪詛ラッシュ。どれひとつとってもaikoのmasterpieceである要素を構成していることは間違いない。
もちろん、先日発売されたシングルコレクションには入っていない曲であり、会社の年2ペースでaikoのライブに行く先輩に「彼女に収録されている深海冷蔵庫好きなんすよね」と言ってもそういえばそんな曲あったね…程度のリアクションしかもらえない知名度のアルバム曲である。ライブファンズを確認しても最後に演奏されたのが4年前の2015年だ。だが、生で聞くことはかなわなくてもそれに近い形態で聞きたい!と調べていたところライブDVDが発売されていたことに気付いたのが今回視聴に至った経緯である。以下感想。
DVDで観たaikoは率直に言えばただただ明るく楽しそうだった。スローテンポのバラードが多い『彼女』中心のセットリストでありつつも、間にシングルメドレーをはさみつつ上手くまとめていた。今回視聴していてひとつ驚いたことがある。定番の男子~?女子~?に加えてそれ以外の人~?というコールがあったのだ。2000年代にこういった配慮のあるコールをしているのはなかなか珍しいなと。そしてライブ終盤、バックバンドの皆様が一人ずつ有名な曲のフレーズを演奏していくパートがあったのだがこれだけで15分近く使っていたのは爆笑したし、それを聞く観客にあたたかな空気が流れていたのは嫌師であった。
本命の深海冷蔵庫だが、言葉にするのができないほどよかった。青いレーザーを浴び大サビで「あなた」に対して気持ちをこめて呪詛を紡ぐaikoは本当に輝いていたのだった。
おわりに先月放送されたバズリズムでのaiko特集を紹介したい。彼女のライブの満足度が非常に高い理由に迫るという放送だったのだが、確かにDVDで観るだけでもその魅力が理解できた。aikoそのひとが観客に対して真摯に向き合うからこそ、観客席に笑顔が絶えないのだろう。
自分もその一端にふれるべくライブに行ってみたいと強く思う。
『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話を観ました
マジで何もいうことはないぐらい佳かったのですがレポです。
・ジョジョ四部の億泰が子羊背肉のリンゴソースかけを食べているときのような感覚を覚える60分でした。いや「幸せの繰り返しだよぉぉぉぉぉ~~~っ」と思えるフィルムが1200円で観れる値段設定本当に狂ってません?
・BC自由戦、最終章1話からツイッターで観測されていたとおりの押田「くん」と安藤「くん」のかけあいや西住殿のBC自由学園内の統合前の不仲を見抜く洞察力からの作戦立案、そして一転攻勢したあとのBC自由学園視点での大洗の恐ろしさ、最後まで気高く戦い抜くネームド3人。もうこれだけで2話が終わったと思うほどの濃度で衝撃でした。
・2回戦はまさかの知波単。だけれども以前までの突撃一辺倒の彼女たちではなくなっていて…というのは純粋に面白かったです。いままでは玉砕一辺倒のイメージが強かったのですが、今回は搦め手もできて純粋に能力もあり、なによりも西隊長のカリスマ性が際立っていて倒すには手強い相手だという印象が沸きました。そんな一筋縄ではいかない相手でも西住殿が柔軟な発想で対処していくのは観ていて本当に心地よかったです。
こんな濃密なフィルムが見れるなら何年でも待つので未完にだけはしないでくれ頼むという気持ちしかないです。今度は4Dでも爆音でも見たい。
『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』を観ました
正直2期をちょこっと見た自分にとっては衝撃的でした。以下レポ。
・最初から終わりまでライブに終始していてこれ1800円で見ていいの!?と信じられなかった。これ例えるなら女性向けアニメ版ボヘミアンラプソディですよ。
・ライブ本編、めちゃくちゃ作画のカロリーが高そうな演出ばかりで参った。檻が出てきたり電車が空を飛んだりドームが空いて暗闇から青空になったりと絶対にこれは生のライブでは再現不可能でだからこそ外連味があって楽しいんだろうなと。
・混合ユニット曲後のMCが1ユニット2~3分なのはファンにとっては嬉しい反面これはアニメならではだなと、おそらく東京ドームであろうキャパのライブでMCにそんなに時間はかけてられないだろうしね。それをいったらアンコール含めて15曲前後の1時間半のライブは相当短いわけですが…
・嶺二くん、今日も頑張ってたしマッチョッチョ言わなかったわね…(後方彼女面アピール)
・エンドロールで春歌ちゃんや社長たちが一瞬だけ映るの徹底してるんですよね…この映画はライブだから主役以外をこういう風に映すの本当に配慮って感じで佳い
・ブロッコリー、エレメンタルガーデンに何か弱みを握られているのか?ってぐらい作詞作曲がエレメンタルガーデンで吹きました。バンジードリームかよ
いやー最高でした。こういうタイプの映画は応援上映と親和性が高そうでどんな雰囲気なのかめちゃくちゃ興味を持っているのでフィルム特典のときにまた行こうかな。