beki雑記

オタクのライブレポ

2019.12.5 @ 飛田給 武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナ スピッツ「SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 "MIKKE"」  

 

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ティライミ!?

スピッツ先輩をベストアルバムでしか知らないようなおれのような輩がライブにいくのもおこがましいな…と思っていた。ただ、今年のロッキンでみた草野マサムネの演奏が頭から離れなかったこと、ニューアルバム「見っけ」の楽曲が刺さったことでどうせ外れるだろ…と安易にeplus先行から申し込んだ。すると、普段は信用ならないeplusがデレたのかチケットがご用意された。

会社の先輩(ファンクラブ会員)にその旨を伝えるとチケットご用意ありえない話し!!とツイッター朝青龍のようなリアクションをされ熱心なファンの方には申し訳ない気持ちになりつつも楽しもうと思った。以下レポ。

 

■ライブ

武蔵野の森総合スポーツプラザ最寄駅の飛田給駅に降りると巨大なFC東京の横断幕が張られていてびっくりした。そういえばサッカースタジアムあったなここ。10分ぐらい歩いて会場に到着。物販は10レジで17時前ということもあり並ばずにスムーズに会計できていた。結局物販は買わずにガチャを1回回すと独特なかめとかたつむりが当たった。

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全体的な客層は、ママに連れられてきた子供もいればおばあちゃんもいるしオタクもいればライブキッズもいる。つまりド健常ライブにきちゃったんだな…ということ。印象としては男女比1:1で若者と中高年比も1:1で普段オタクライブか若手バンドばかり行っている身としては新鮮。アジカンもそれなりに中高年いたけどここまでではなかったし。

そんな中印象的だった光景がふたつ。ひとつめは、60代ぐらいの女性ふたりがチケット発券後(スピッツは入場の際に席がわかる)うれしそうに近くで見れて嬉しいね!と言い合っており普段見られない光景にほっこりした。

もうひとつは、思いの外50代ぐらいの夫婦が来ていたこと。この人たちはスピッツとともに歳を重ねて人生を歩んできたんだろうなあ(※1)と思いを馳せてしまった。自分の席はアリーナC5と普段絶対に手に入らない良番で驚いた。実際のところは後ろの方で機材席の近くではあったのだけれど、アリーナで見れることは自分の運からするとあまりないのでうれしいことにはかわりない。

ライブが始まるとそこにはスピッツの、もっと言えば草野マサムネが描くやさしい世界が繰り広げられた。

まず印象的だったのが曲の間にはさまれるMC。50代のおじさんがゆるく話すんで聞いてください~といい本当に和やかに話が進んでいった。

その中でも記憶に残った話が3点ほどあった。

ひとつめは若いミュージシャンに昔から好きでした!ファンです!と言われることについて。年齢差で考えると、スピッツ加山雄三さん(うろおぼえ)にファンですと言っているような感覚だろうし、演歌なら氷川きよしくんが細山たかしさんに昔から聞いていました!というような感覚なんだろうなという例えは聞いていて面白かった。

ふたつめはMステに出たときの話。今年新曲の宣伝もあってださせてもらったところ、スタッフに「長い時間楽屋に入って頂いて大丈夫なんで」と老人扱いされ、自分たちの体力的なこともあるけどジャニーズの横にこのルックスの面々を置くのは厳しいのでは?とメンバー同士で掛け合っていたのは腹が痛かった。

みっつ目は、ライブ後半に草野マサムネが長いこと立ちっぱなしで大丈夫ですか?無理しないでくださいねひざの軟骨は消耗品なんでね…と中高年の客層に対して配慮を見せたところ。基本的に踊ったりジャンプしたりモッシュしたりを煽る若手バンドが多い中でこの配慮にはバンドのカラーがあるんだなと。

演出や舞台美術についてはステージ奥に配置されたジャングルジムが光を放つのだが、派手にビュンビュンレーザーを客席に放つわけではなく、左右に配置された演者を映すスクリーンも彼らをモノクロに映すことが多く、華美な演出よりも必要最小限度の演出をしようとする姿勢が伝わってよかった、そういう方向性のバンドではないしね。

肝心のライブだが、今年発売したアルバムからの楽曲を中心に往年の名曲が演奏されて聞いていて心地よかった。新譜だと見っけや優しいあの子のほかにも、生で聞くラジオデイズが思いのほかカッコよかったのは収穫。また、往年の名曲で彼らの代表曲であるロビンソンや楓、春の歌が披露されると、おれのお母さんぐらいの年齢の女性が目頭を押さえつつ笑顔になっていて本当に幸福なライブだと思った。また、ライブ慣れしてないであろうお父さんが8~9割の楽曲で手拍子をしていたのも微笑ましい光景であった。

惜しむらくは、ホールの構造上の問題かPA席と自分の席の位置が近かったからかいずれかは不明だけど、曲によってはハイハットがやまびこのように半拍遅れて聞こえたこと。武蔵野の森総合スポーツプラザはその名のとおり本来ライブをする会場ではないので仕方ないんだけど。

セトリはスピモバより。

 

■おわりに

スピッツ見っけツアー、

10000000000000000000000000000000000000000000000000000000000点!

アンコール前最後の曲の春の歌の演奏が終わったとき、ふと心がぽかぽかあたたかい日差しに包まれたというか、多幸感ってこういうことを言うんだろうな…とか、シンデレラ2ndでススメオトメをきいたとき確かこんな気持ちだったよな…とかいろんな感情が押し寄せてきてだめだった。自分は悪い意味でライブ慣れしてしまってライブに参加するのが日常の延長だけど、そうではないであろう1年に1回ライブに行くか行かないかのお父さんやお母さん世代の人に行こう!と思わせるスピッツの音楽に感服するし、そういった人たちにやさしい空気を提供する演者をはじめとしたスタッフのライブ空間づくりはすごいなとただただ思う。

草野マサムネ、本当にありがとう。

 

※1

スピッツ公式チャンネルの"スピッツとともに青春を過ごした"みたいな感じのコメントが好きすぎるんですよね… 先日ツイッターのトレンドに#衝撃を受けたスピッツの歌詞!というタグがトレンドに上がっていてMCの時にベースの田村さんも言及していましたけれど、個人的には市井のお父さんお母さんの"自分とスピッツ"みたいなエピソードを読みたいんですよね。ラジオのお便りコーナーでありそうなゆるい感じで。

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