beki雑記

オタクのライブレポ

2018.3..20 @ 新木場 STUDIO COAST  syrup16g「COPY発売16周年記念ツアー 「十六夜 <IZAYOI>」十六夜」  

 

おれがsyrup16gを知ったのは高校生の時だ。当時からおれは変わらず陰湿なオタクで、メンタルが病んでいる人間が書くいかに自分が繊細で感性が鋭くて周囲に恵まれていないかをリストカット画像とともに発信するブログを楽しみながら読んでいた。そういったブログを書く人間の多くが椎名林檎「様/さん」(これなんなんでしょうね)やV系の音楽が好きと前略プロフィールに記していたのを妙に覚えている。ある日、そういったブログを巡回中、syrup16gのex.人間が傷ついた私のメンタルをいやしてくれる…みたいな文章を読み、CDを借りたところその諦観に満ちた音楽を何度もリピートしてしまった(全くメンタルは癒されなかったが)。かといって、当時のおれはガガガや太陽族銀杏BOYZ等の青春パンクが大好きなキッズだったので特に他のCDを借りることなく時間が過ぎて行った。近年、週末CDを借りてPCに取り込むことが日課になっており、あらかた借りたいものを借りたのでシロップのCOPYを枚数合わせに選び家で聞いた。なぜだか10代の時に聞いた時よりも耳に馴染んだ。なぜだろう、社会人生活にもある程度慣れ、諦めることが多くなったことが理由だろうか、精神が自分が思っているよりも摩耗していたのだろうか、五十嵐隆の書く世界が思いのほか遠くなかったからだろうか。理由はわからないが、家に帰ったら生活とafterglowのHey-day狂騒曲(バンドリのオタク)を聞く生活がしばらく続いた。

3月20日、シロップの16周年ツアーはファイナルを迎えた。開演前にコーストのロッカー前で入場待ちをしていると、思いのほか20代が少なくて年齢層が高めだな…と周囲を見て思った(今思いかえしてみると、2000年台前半にシロップを聞いて精神を安定させていたハイティーンも2018年を迎えたらアラサーになるよな…という当たり前の結論に至るわけだが)。ライブ自体は、6曲目ぐらいで早々に五十嵐隆の喉が枯れ始めて不安になるも(※1)、その後持ち直してスーパー名曲であるI.N.Mやパープルムカデ、そしてアンコールで生活を演奏した。生で聞いた生活は作中のダウナーな世界観とは違って五十嵐隆が懸命に歌っており(※2)、ここでエモさが最高潮を迎えてしまった。今後、シロップは活動をしばらく休むそうだが、また演奏を聞かせてほしいなと強く思った。。

 

※1 たかしがんばえー!という気持ちだった

※2  知り合いが大学時代シロップのコピーバンドで学祭ライブに出るべく、出場を賭けたコンテストで生活を歌ったところ、審査員から口ぐちに「もうちょっと元気に歌った方がいいよ」と言われて落選したエピソードを思い出した。元気なシロップってなんだよ