beki雑記

オタクのライブレポ

2019年6月の読書

劇団雌猫『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』2018.10 柏書房

 

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オタク集団劇団雌猫のメイク本。ちまたにあふれるどうメイクするか?の本ではなくなぜメイクするか?にスポットを絞った1冊。男性側からはわからない女性が普段考えている美意識について知るために役立つし、何よりも著者属性的にオタク女性が多いので読んでいて楽しい。個人的に印象的だったのはデパートの販売員だった女。美容部員の尋常じゃない禁止事項の多さやダサいメイクをしているとクレームがくるなど容姿の世界で生きるつらさと大変さを感じた。
読んでいて思ったのですが終始文中に出てくるブランドがわからなくて参りました。おれの知っているブランドはアマベルミルクアンジェリックプリティイノセントワールドぐらいなので当然ですが…

 

 

池田 清彦 (監修)月刊つり人編集部 (編集) 『池の水ぜんぶ“は”抜くな! 外来種はみんなワルモノなのか』2019.5 つり人社

 

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池の水ぜんぶ抜いたに対して生物学者がその是非について書いた1冊。まず外来種と在来種の境界線をはじめとして外来種は本当に悪なのか、また在来種が減った理由は外来種のせいと一概に言えるのか、127pと短いながらもわかりやすく書いている(参考文献一覧がないのが若干残念)。印象的だったのが「手つかずの自然」を目指す自然保護活動が本当に理想なのか?という問いだ。例えば、外来種のおかげで生息できる在来種がいたり、現在「手つかずの自然」が世界をみてもほぼ存在しなかったり、外来種と在来種から生まれた交雑種の取り扱いなど、色々と考えるきっかけになった。また、イエネコが野生化するとノネコと呼ばれるのには驚いた。

 

南条 あや『卒業式まで死にません 女子高生南条あやの日記』2004.2 新潮社

 

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精神的に病んでいる女子高生の死に至るまでのリストカット&オーバードーズ日記。おれは2000年代中盤ぐらいにこんなリストカットをやっている人間のブログを好んで読んでいたのでこれこれ!と何度も読書中に頷いていた。

ただ、著者が女子高生として過ごした時間は1990年代後半なのでおれが好んで読んだものとは微妙に時期がズレている。例えばおれが読んでいたリストカッターの方たちの好む音楽は椎名林檎“さま“やsyrup16g、ムックやアンティークだったのに対してこの著者はcocco。絶妙なチョイスに涙が出る。

日記は1999年3月16日で終わっているが、一番後ろの略歴で死に至るまでの過ごし方がわかる。高校卒業後、婚約者とディズニーに行ったり、指輪を買ったり、友人とカラオケ大会を開いたり人生がものすごく充実しているようにみえるが3月30日に唐突にODで自殺、享年18歳だった。タイトルは著者自身が親友に約束していたことだという。言行一致の彼女に黙祷。